ケンケンラボ

現役病院薬剤師が身近な病気や感染症、薬、健康食品、日常生活の中で疑問に思った事や勉強した事の中で役立つ情報を発信していくブログです。

マラソントレーニングの種類と練習方法。初心者は「3日連続で休まない」がポイント

ラソン大会に向けたトレーニングはさまざまなアプローチで行われます。しかしもっとも重要なのはトレーニングを継続すること。すでにランニングがライフワークとなっている方なら問題ありませんが初心者はつい三日坊主になりがちです。「雨が降っているから」「昨日走ったから」「今日は気分が乗らないから」と何かと理由をつけて走りたくなくなる時期がくることでしょう。

 

3日連続で休まない

最初のうちはゆっくり距離も短くて構いません。できるだけ毎日身体を動かすようにしましょう。一般的に言われているのは「3日連続で休まない」こと。せっかく積んだトレーニングがリセットされてしまうので、まずは週3日以上のトレーニングを習慣化させてみてください。

ランニングを習慣化させるポイントは走る場所を工夫する(同じ場所を走らない)、練習日誌をつけるなどさまざま。音楽を聴きながら走るのもひとつの方法ですが、周囲の音が聞こえづらくなるので交通量が多い道路では控えるようにしてください。

 

まずは長く走る脚力を身につける

そのほかに気をつけたいのがトレーニングの強度。軽すぎてはトレーニングの効果が薄くなり、強すぎるとケガにつながる恐れがあります。最初のうちはゆっくりペースでいいので長い距離を走れるような脚作りを徹底しましょう。

10km、20kmと余裕を持って走れるようになったらそこから本格的なトレーニングに移行することをおすすめします。

 

ラソンレーニングの種類

ここでは一般的なマラソンレーニングを9つ紹介しますがすべてのランナーに合うトレーニングは存在しません。目標や目的を決めそれに合うトレーニング方法を行うための参考知識として頭に入れておくようにしてください。

 

時間走

30分、60分、120分など時間を決めて走る。

 

距離走

10km、20km、40kmなど距離を決めて走る。距離表示の出るGPSウォッチやランニングアプリがあると便利です。

 

LSD(Lоng Slоw Distance)

「ゆっくり」「長く」を意識したトレーニング。ペースは早歩きより少し速い程度(キロ6~7分)で60分や120分など長時間のランニングを行います。マラソンに耐えられる脚作り、毛細血管の発達などマラソン体質を作るのに有効とされているトレーニングです。

このトレーニングの特徴はとにかく負荷が軽いことが挙げられます。スローペースで長時間(60分以上)走ることによって有酸素運動の能力が向上。心肺機能が高まりマラソン向けの体質を作る効果が期待できます。

よく「ランニングが続かない」という人がいますが、その原因の多くは自分で「しんどい」と感じるペースに上げてしまっているから。走り始めると身体は温まっていくので自然とペースは上がってしまいがちです。しかしそれでもペースを最後まで抑えるのがLSDの特徴。ペースはキロ7~8分と早歩きよりも少し速い程度なので「しんどい」と感じることはないでしょう。

 

クロスカントリー走(野外走)

公園内の芝生や舗装されていない道など不整地を走るトレーニング。路面がやわらかいため足にやさしく故障のリスクを抑えることが可能です。また起伏やデコボコ道を利用することによって脚筋力や体幹の強化にもつながります。

 

1分間ごとにペースを変化させる

1分ごとに「速いペース(ハイペース)」「ゆっくりしたペース(ローペース)」とペースを変えて走ります。時間は30分前後を目安としてこの中でしっかり走り込めるペースを設定してください。なお「1分かなりのハイペース→2分ローペース」などバリエーションを持たせても構いません。ローペースではしっかり呼吸を落ち着けるようにしましょう。

 

目印を決めてペースを変化させる

「木を1本超えるごとにペースを変える」など時間ではなく目印ごとにハイペースとローペースを繰り返します。目印の区間は同一である必要はありません。木が密集していて目印にしにくい際はカラーコーンなど目立つものを用意し、適当にポンポン置いて目印にするのもよいでしょう。

 

距離ごとにペースを変化させる

インターバル走のように決まった距離をハイペース、また決まった距離をローペースで走ります。500mごとにハイペースとローペースを繰り返したり、1kmから始めて100mまで段階的に距離を短くするなど距離の設定は自由です。

 

トレイルランニング

クロスカントリー走の中でも野山を走るトレーニング。アップダウンを利用した脚筋力の強化がおもな目的で、クロカンよりも上級者向けといえるでしょう。山道を走るため登山に関する知識が必要不可欠です。

トレランには「何km走らなければいけない」というルールは存在しません。道が険しくなったら歩きなだらかなコースになったら走る、登山道が複数ある山なら難易度の低い道からチャレンジするのも良いでしょう。そんなマイペースな楽しみ方でも立派なトレランです。

 

インターバルトレーニング

 速いスピードで400mや1000mなどの短い距離を走りジョギングなどでつなぐトレーニング。これを繰り返し「400m×10本」「1000m×5本」というように練習メニューを組み立てます。スピード強化、心肺機能の向上に効果が期待できるトレーニングです。

レストはランニングした時間と同じくらい取るとよいでしょう。本数は5~10本ほどとして距離が長いものほど減らしましょう。

ポイントはしっかり最後まで設定したペースで走りきること。少しずつ疲労が蓄積してきますがレストの時間もきっちり守りましょう。

 

ペース走

終始一定のペースでランニングを行います。マラソンは「このペースでいけは〇時間〇分でゴールできる」という配分が明確なので、練習段階でペースを身体に刻み込むという目的で使われることが多いトレーニングです。

あらかじめ設定したペースを維持して一定の距離を走り続けるペース走。スピードと持久力向上のほかペース感覚の養成が挙げられます。ペース走を積み重ねることで、どのくらいの感覚で走ればどの程度のペースが出るのかが分かってくるでしょう。これは大会本番でレースペースをコントロールするのに役立ちます。

 

ビルドアップ走

一定距離(時間)で少しずつペースを上げていくトレーニング。後半になるにつれてキツくなっていくので心肺機能を強化できます。スタート時はゆっくりで構わないので初心者でも取り組みやすいのが特徴です。

 

セット練習

2日間続けて走り込むトレーニング方法。初日はレース本番の前半部分を想定し、ややスピードを上げて追い込むのがポイントです。2日目は脚に疲労が溜まっている状態で、もっともキツイ30km以降の走りをイメージします。なお平日に働いている方は土日を利用して行うとよいでしょう。