「CT検査」と「MRI検査」の違いってなぁに?
病院を受診した時にCT検査やMRI検査を受けたことがある人は多いと思います。ところでCT検査とMRI検査の違いについて説明できますか?今回はCT検査とMRI検査の違いについて解説していきます。
目次
1.CTとは
「CT」とはComputed Tomographyという英語の頭文字で基本技術としてはX線検査の一種です。レントゲンに高度なコンピュータを組み合わせて詳しく検査ができる機械!と考えればわかりやすいと思います。
X線管がX線を出しながら体を一周しそれを対向する検出器で読み取り、人体を輪切りにしたような断面画像や、立体的な画像を得ることができます。
そのため1枚のレントゲン写真を撮るよりはるかに正確で詳細な診断ができます。
2.MRIとは
「MRI」とはMagnetic Resonance Imagingという英語の頭文字でMRIのMはマグネティックつまり磁石なのです。もちろん診断のための画像を撮る技術という点では同じですが画像の撮影方法がまったく別物なのです。
MRIはX線を使わずにその代わりに磁場を使用します。
人の身体は元素(原子)の塊でできています。
ひとつひとつの元素はそれぞれ原子核を持っていてそれらが磁石の作用を受けると少しずつ違う反応をします。
その違いをコンピュータで解析することによって画像化できるのがMRIの仕組みです。体のどこから磁力が出ているのかというと水分からです。
人の体は約7割が水分というのは聞いたことがあると思いますが、水分を含んでいる所を撮影できるというのがMRIです。
MRIはドーナツ型磁石の中に入り、電波を与えると身体の中の水素原子が共鳴し、電波を止めると共鳴した水素原子は微弱な電波を出します。
この電波をコイルというアンテナで受信して画像を得ます。
しかし、磁石を使うので磁場を乱してしまう金属やペースメーカなどの機械類が体内に入っている場合は検査に適さないことがあります。
3.CTとMRIの使い分け
ではCTとMRIをどう使い分けているかをお話します。
MRIの長所のひとつに「組織分解能」が非常に高いことが挙げられます。
骨の影響を受けにくく病変と正常組織の濃度差がわかりやすいことや造影剤を用いなくても血管を写すことができます。
一方CTは骨による影響を受けますが、広範囲の検査を短時間で行え、1mm以下の病変も映しだすことが可能です。
つまり、早く撮影できて細かい病気を移すのが得意なのがCTです。
CTとMRIには得意なところと不得意なところがあり、それを使い分けて使用したり検査の目的によっては2つ両方の検査を受ける必要があることも多いです。
造影剤を使わずに血管を写すことができるMRIでは脳動脈瘤の経過観察にもよく使われます。しかしMRIは検査時間が長いこと、体内金属がある場合は検査が行えないこともあるなどの制限もあります。
CTは制限が少なく、検査時間が短いなどの簡便さが強みと細かいものを見る場合に優れますが、病変と正常組織との濃度の差(コントラスト)がMRIほどなく造影剤を使用しないと診断が難しいことがあります。
4.CTとMRIの得意分野
CTの得意分野
・脳血管
・肺がんや肺炎
・尿路結石
・内臓
・全身の緊急検査(短時間で撮影できる)
・腸炎や腸閉塞など
MRIの得意分野
・早期脳梗塞
・骨折などの外傷・歯
・脳動脈瘤
・内臓(肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓)
・血管(造影剤を使わない)
・軟骨
・靭帯・半月板
・神経
・多くの骨腫瘍病変
・子宮・卵巣
・前立腺・膀胱
5.まとめ
CTとMRIの検査法は画像の撮影方法がまったく別物です。CTはX線を使用しMRIは磁場を使用します。CTとMRIには得意なところと不得意なところがあり、それを使い分けて使用したり検査の目的によっては2つ両方の検査を受ける必要があることもあります。これらの違いについて理解していればCT検査やMRI検査についての
理解がより深まりますよね。