ケンケンラボ

現役病院薬剤師が身近な病気や感染症、薬、健康食品、日常生活の中で疑問に思った事や勉強した事の中で役立つ情報を発信していくブログです。

「アインファーマシーズ」とは?業界No.1企業の評判や年収について説明します。

アイン薬局を運営する株式会社アインファーマシーズ。親会社となる株式会社アインホールディングスはアインファーマシーズを含め89社もの関連会社を傘下に持つ、薬局、ドラッグストア関連事業の最大手です。調剤薬局業界第1位の売上を誇るナンバーワン企業です。株式会社アインホールディングスは、北海道札幌市に本社を置き、調剤薬局の経営フランチャイズ事業を行う「医薬事業」、医療に関する「コンサルティング業」、医師・薬剤師専門の「人材紹介業」、「ジェネリック医薬品の販売業」、「ドラッグストア経営」、「化粧品販売」等様々な事業を展開しています。

 

目次

  1. アインファーマシーズってどんな会社?
  2. アインファーマシーズの企業情報
  3. アインファーマシーズの事業内容
  4. アインファーマシーズの〈教育・研修システム〉について
  5. アインファーマシーズの〈キャリアステップ〉
  6. アインファーマシーズの〈年収・給与〉
  7. アインファーマシーズの〈ワーク・ライフ・バランス〉

 

1.アインファーマシーズってどんな会社?

株式会社アインファーマシーズは株式会社アインホールディングスの100%持ち株子会社にあたります。アイングループの歴史を辿っていくと、もともとは受託臨床会社を前身に持つ会社であったことがわかります。その後ドラッグストア事業を開始。現在主軸となっている調剤薬局事業は1993年の北海道旭川市の「第一薬局」開局を皮切りに、医薬分業の追い風を受けて飛躍的に売上を伸ばしてきました。2018年度のファーマシー事業の売上高は2450億円で業界第1位。

ドラッグストア事業では苦戦を強いられながらも、2008年のセブン&アイホールディングスとの資本・業務提携や、2015年の資生堂傘下にあるアユーララボトリーズの子会社化、新しい形態での店舗出店等、積極的な事業展開によって着実に売り上げを伸ばしています。

また、組織体制としては独自の薬剤師研修制度、マニュアルおよび調剤システムの開発・実用化に成功し、調剤過誤の防止や業務効率化を進めるとともに個々の薬剤師のレベルアップに取り組んでいます。

 

2.アインファーマシーズの企業情報

設立:1969年8月

本社所在地:北海道

売上高:2755億9640万円(2019年4月期)

店舗数:調剤薬局1132店舗、コスメ&ドラッグストア54店舗(2019年4月期末)

従業員数:10652人(うち薬剤師4904人)(2019年4月末)

 

3.アインファーマシーズの事業内容

アインホールディングスの主軸事業は[ファーマシー事業]と[ドラッグストア事業]です。 

[ファーマシー事業]

M&Aで全国1132店舗!圧倒的店舗数

ファーマシー事業では「アイン薬局」を中心に全国1000店舗を超える処方箋薬局を出店しています。新規開局のほかに目立つのは積極的なM&Aによる出店です。特に大きかったのは2016年の「葵調剤」の買収。当時、全国に115店舗を展開していた「葵調剤」をM&Aにより買収することで、大幅に店舗数を増やすこととなり、ついに1000店舗を突破しました。ここまで大規模なM&Aを繰り返すことができるのは圧倒的な財務基盤があってこそ。企業の安定性を図る大きな軸になりそうですね。

かかりつけ薬局としての取り組み

電子お薬手帳アプリの開発、残薬管理、セルフメディケーションへの取り組み、24時間開局等、地域に根ざしたかかりつけ薬局としての機能の充実をはかっています。

在宅医療への取り組み

在宅医療において特に薬剤師業務の必要性が高い高齢化率の高い地域で、在宅医療のモデル薬局の構築をすすめています。

地域の医師やケアマネージャーと連携い訪問薬剤師管理指導の可能な薬局を全国へ広げていく取り組みです。

ジェネリック医薬品への取り組み

ジェネリック医薬品専門卸の物流システムにより全国にジェネリック医薬品の供給を行える体制が整っています。

[ドラッグストア事業]

ドラッグストア事業では、女性目線での商品・店舗開発に力を入れ、新しい形のドラッグストア「アインズ&トルぺ」を積極的に出店・展開しています。オリジナルブランド「リップス&ヒップス」「ココデシカ」などの展開、元資生堂の赤字ブランド「AYURA(アユーラ)」を子会社化しブランド再建を進めるなど、利益率の高いオリジナルブランドの開発・販売促進にも力を入れています。

 

4.アインファーマシーズの〈教育・研修システム〉について

社員第一主義(社員ファースト)の姿勢を貫くアイングループの教育システムは、入社1年目の新入社員向けの[ベーシック教育]から始まり、2年目以降の[スペシャリスト教育]、[リーダーシップ教育]へと、段階的にキャリアを進めていける仕組みが導入されています。自身のキャリアアップのためだけではなく、リーダー・マネージャーとして後進のキャリア形成のサポートができるよう指導者向けの研修の受講が義務付けられる等、徹底した社員育成スキームが整っているのが特徴です。

新入社員研修

社会人研修

入社後すぐに行われる基本的なビジネスマナーや医療人としての心構えを学ぶ研修です。

薬剤師研修

社会人研修後、薬局配属前に行われる薬剤師としての基礎的な知識と技術を確認する研修です。

OJT研修

薬局配属後に各薬局において現場の専属教育担当がついて行われるOJT研修です。患者様への対応や地域における薬剤師の役割等、実践を通して学んでいきます。

フォローアップ研修

入社後5年間続く研修です。基礎的な服薬指導や監査スキルの確認から始まり、後輩指導のための知識、技術、コミュニケーションスキルの習得、薬局長や管理薬剤師に向けてのリーダーシップやマネジメントスキルを習得していきます。

リーダーシップ教育

OJTトレーナー研修

OJTトレーナーとして後輩指導に必要な知識、コミュニケーションスキル等を身に付けるための研修です。

新任薬局長研修

薬局長として必要な経営、店舗管理の知識や、人材マネジメントに関する知識を身に付けるための研修です。

スペシャリスト教育

資格取得サポート

研修認定薬剤師、実務実習指導薬剤師、がん専門薬剤師、外来がん治療認定薬剤師、認知症研修認定薬剤師等の資格取得サポートを行っています。

高度薬学管理

実践に即した教育プログラムを用意しています。

その他の研修サポート

海外研修

入社5年目以降の社員に向け、海外の医療機関での視察研修です。2016年度にはアメリカのロサンゼルスで様々な医療機関を訪問し、アメリカでの薬局・薬剤師の位置付けや保険制度について学びました。

スタッフマニュアル

調剤業務のほか、患者様とのコミュニケーション、クレーム対応、災害時対応方法等を学ぶためのスタッフマニュアルを社内ネットワークで共有し、閲覧が可能です。

学会への参加

研究成果を日本薬剤師会学術大会、日本薬局学会、日本医療薬学会、日本医薬品情報学会等で発表しています。

 

5.アインファーマシーズの〈キャリアステップ〉

 大手ならではの豊富なキャリアパスが用意されています。医療従事者として現場で患者様、お客様と触れ合いたいという方は調剤薬局やその他店舗勤務からキャリアを積み上げていく方法が、バックオフィスから施設や店舗開発を行ったり、経営企画・人事部門等の管理業務に携わってキャリアを形成していく方法があります。

 

6.アインファーマシーズの〈年収・給与〉

アイングループで働く薬剤師の年収についてみてみましょう。

月給:250、000円~380、000円

想定年収:400万円~608万円

※年収計算は12ヶ月+賞与4ヶ月分で算出

 ・賞与:年2回(7月、12月)

・昇給:年1回(4月)

・手当:薬剤師手当・社員区分手当(希望コースにより異なる)・地域手当・寒冷地手当・管理薬剤師手当・薬局長手当・ブロック長手当・役職手当・残業手当・通勤手当(公共交通機関および車通勤)など

 

7.アインファーマシーズの〈ワーク・ライフ・バランス〉

まずはアインファーマシーズの福利厚生をみてみましょう。

 アインファーマシーズの福利厚生

借上社宅制度(初期費用全額、「毎月の家賃の80%を会社が負担)

契約保養所

アユーラ化粧品社員割引

スポーツジム優待

育児短時間勤務制度

インフルエンザ予防接種補助(本人・家族)

復職制度

従業員持株会

各種祝金/見舞金(結婚、出産、負傷疫病、香典、災害)

永年勤続表彰

退職金(確定給付企業年金

 

流石の大手企業ともいえる充実した福利厚生制度ですね。実際にアイン薬局では多くの女性薬剤師、ママ薬剤師が勤務しており、産休・育休の取得や、育児短時間勤務で仕事を続けるのが一般的になっているようです。

制度として「復職制度」が導入されており、「復職適用申請書」では退職5年以内であれば復職が可能になるため、復職のしやすい環境が整っているといえます。

しかし、一部では妊娠・出産をきっかけに退職をせざるをえない状況になる薬剤師がいたり、残業・休日出勤等の問題が解消されない店舗が存在するのも事実。

これを受けてアイングループでは2016年4月~2019年4月の3か年計画で「女性の活躍推進に関する行動計画」への取り組みを行っています。