ケンケンラボ

現役病院薬剤師が身近な病気や感染症、薬、健康食品、日常生活の中で疑問に思った事や勉強した事の中で役立つ情報を発信していくブログです。

スマホ・タブレット・パソコン何が違うの?

量販店に行くとパソコン以外にもスマホタブレットなどたくさんの商品が並んでいます。初めての方にとって何をどうすればいいのか迷われると思います。スマホタブレット、パソコンの特徴を理解し用途に合ったものを購入しましょう。

 

スマホタブレット、パソコンの違い

 

画面サイズ

1.スマホは4~5インチが主流

2.タブレットは7インチと10インチが主流

3.ノートパソコンは画面の小さなもので11インチ、モバイルパソコンは13インチが主流

 

キーボードの有無

パソコンにはキーボードがついていますがスマホにはキーボードがありません。タブレットにはキーボードとドッキングできるタイプもありますが基本はキーボードなしで使う仕組みです。

 

拡張性

パソコンにはマウスやプリンター、ハードディスクやDVDドライブ、有線LANなどをつなぐ機能(拡張性)が備わっていますが、スマホタブレットにはパソコンほどの拡張性がありません。

 

周辺機器

 Wi-Fi経由でスマホから直接プリンターで印刷できるようになりましたが、対応する最新プリンターがないと使えません。今までパソコンで使用していたプリンターはパソコンがないと使えないケースが多いです。

 

インターネットへの接続

 スマホは電話なので携帯電話会社のモバイルネットワークに接続できます。タブレットの中にはモバイルネットワークにつながるタイプとつながらないタイプがあり、後者の場合はWi-Fiがつながる環境がないとインターネットに接続できません。パソコンもWi-Fiまたは有線LANにつながる環境がないとインターネットに接続できません。

 

OS

 iPhoneに採用されているOSは「 iOS」、その他のスマホタブレットに採用されているOSは「Android」です。

・iOSはアップル、AndroidはGoogleが開発したOSです。

タブレットにはパソコンと同じOSやタブレット用に開発されたOSを採用しているものもあります。

パソコンの「OS」には「Windows」の他にアップル社がMacに採用している「OS X」があります。

 

アプリの入手方法

「iOS」も「Android」もそれぞれ専用のストアからアプリを入手することで様々な機能やサービスを利用できます。

「iOS」がiPhоneやiPad、iPоd tоuchなどアップル製品のみに採用されているのに対し、「Android」を採用したスマホタブレットは複数のメーカーから公開されています。

 

操作性と機能性

iPhоneやiPad、iPоd tоuchはOSもハードウェアも同じアップルが開発しているため操作がシンプルでわかりやすく、使いやすいというメリットがあります。機種が少ないため最適化されたアプリやアクセサリーの種類も多いです。

「Android」ではスマホタブレットの画面サイズがバラバラなので機種によってはアプリを表示したときにレイアウトが崩れることがあります。しかし「iOS」向けのアプリはiPhоne、iPad、iPоd tоuchなどに最適化されているためレイアウトは崩れません。

「Android」を採用したスマホタブレットにはメーカーごとに異なるデザインや機能を選択できるメリットがあります。たとえば防水や防塵、おサイフケータイワンセグ、赤外線通信といった機能は「Android」を採用するスマホタブレットにしかないものです。またホーム画面のデザインや文字入力ソフトを自由に変えられるなどカスタマイズしやすいのも「Android」の特徴です。

 

マルチウィンドウ

「iOS」や「Android」はスマホ用に開発されたOSなのでどちらもアプリごとに画面を切り替えて使う仕組みです。パソコンのようにブラウザーやメール、Officeソフトの画面を同時に表示したり、2つのフォルダーを開いて片方のフォルダー内のファイルをもう一方のフォルダーにドラッグ&ドロップで移動することもできません。このような操作のことを「マルチウィンドウ」といいます。

 

用途に応じた選択

自分がやりたい事の「優先順位」をよく考えて自分に合った商品を購入しましょう。

 

インターネットやメールを使いたい

スマホタブレット

インターネットやメールはスマートフォンタブレット、パソコンのいずれでもできますが、携帯電話のネットワークに対応していないタブレットやパソコンの場合、自宅のWi-Fiにつなぐか、モバイルWi-Fiルーターのような機器が別途必要です。手軽なのは1台で携帯電話のネットワークにつながるスマホタブレットです。長文のメールを送る場合はキーボードが使えるパソコンのほうが便利です。選ぶ際にはどのくらいの画面サイズでインターネットを楽しみたいかや、文字入力のしやすさなども考慮します。

 

写真や動画の編集や整理がしたい

タブレット、パソコン

写真や動画を見るだけならスマホでもできますが編集まで行う場合はある程度の画面サイズが必要です。大きな画面で表示できフォルダー分けなどの整理もしやすいのはパソコンです。カメラから写真を取り込んだりプリンターから簡単に出力できるのはパソコンです。

 

Officeソフトを使いたい

パソコン

WordやExcel、PowerPointなどのOfficeソフトが使いたい場合はパソコンです。「iOS」や「Android」を採用したスマホタブレットでも、Officeソフトで作った書類を閲覧したり編集ができるアプリはありますがパソコンと同じようにはできません。

 

電子書籍やコミックが読みたい

タブレット

 電子書籍が一番読みやすいのはタブレットです。スマホでもアプリがあれば本は読めますが、画面が小さいので文字が読みづらくコミックの場合は表示できるコマ数が限られています。タブレットなら電車の中などでもすぐに取り出して使うことができます。

 

LINEやFacebookなどSNSを楽しみたい

スマホ

友達とのコミュニケーションを楽しんだりSNSに投稿するのに最適なのはスマホです。最近はタブレットにもカメラを搭載するタイプが増えてきましたがカメラの性能はスマホのほうが上です。写真を撮ってSNSで共有するのにもスマホが便利です。

ワクチンとはどんなもの?しくみから種類、役割についてわかりやすく説明します。

目次

  1. ワクチンのしくみ
  2. ワクチンの種類
  3. ワクチンにはどんな役割があるの?
  4. 子どもの免疫とワクチン

 

1.ワクチンのしくみ 

自然感染よりはるかに安全に免疫をつくります

子どもが麻しん(はしか)に自然にかかって治ると「※この子はもう麻しんにはかからない」と言われますね。これは子どもの体内に麻しんに対する免疫ができるからです。

ワクチンはこうした自然感染と同じしくみで私たちの体内に免疫を作り出します。ただし自然感染のように実際にその病気を発症させるわけではありません。コントロールされた安全な状態で免疫を作り出します。ですから接種後に症状が出ず、たとえ症状が出ても大変軽いのが特徴です。他の人へうつさせない点もワクチンの利点です。

しかし自然感染にくらべて生み出される免疫力は弱いため、1回の接種では充分でなく何回かに分けての追加接種が必要になることがあります。

 

※ただし麻しんなどに自然にかかっても終生免疫(一度感染すると生涯その病気にかかることがない)ができるのではないことがわかってきました。

 

自然感染の場合

 重症化する危険性 高い

他人に感染 感染しやすい

作られる免疫 強い

 

ワクチンの場合

重症化する危険性 ほとんどない

他人に感染 しない

作られる免疫 少しだけ弱い

 

2.ワクチンの種類

ワクチンには次の3種類があります。

生ワクチン

生きたウイルスや細菌の病原性(毒性)を症状がないように極力抑えて、免疫が作れるぎりぎりまで弱めた製剤。自然感染と同じ流れで免疫ができるので、1回の接種でも十分な免疫を作ることができます。ただ自然感染より免疫力が弱いので、5~10年後に追加接種したほうがよいものもあります。ワクチンの種類によっては2~3回の接種が必要なものもあります。副反応としてはもともとの病気のごく軽い症状がでることがあります。

ロタウイルス感染症結核、麻しん(はしか)、風しん、おたふくかぜ、水痘(みずぼうそう)、黄熱病など

 

不活化ワクチン

ウイルスや細菌の病原性(毒性)を完全になくして免疫を作るのに必要な成分だけを製剤にしたものです。接種してもその病気になることはありませんが、1回の接種では免疫が十分にはできません。ワクチンによって決められた回数の接種が必要です。

B型肝炎・ヒブ感染症・小児の肺炎球菌感染症・百日咳・ポリオ・日本脳炎・インフルエンザ・A型肝炎髄膜炎感染症狂犬病など

 

トキソイド

細菌の出す毒素の毒性をなくし、免疫を作る働きだけにしたものがトキソイドです。

ジフテリア破傷風など

 

3.ワクチンにはどんな役割があるの?

 ワクチンを接種する大切な目的として次の3つをあげることができます。

1.自分がかからないために

2.もしかかっても症状が軽くてすむために

3.まわりの人にうつさないために

 

 1.と2.はワクチン接種を受ける本人のための目的です。ワクチンが「個人防衛」と呼ばれる理由です。3.は自分のまわりの大切な人たちを守るという目的です。ワクチンの「社会防衛」と呼ばれる一面です。

 

1人はみんなのために、みんなは1人のために

 ワクチンを接種できる人たちがきちんとワクチンを受けることにより、地域社会でVPD(ワクチンで防げる病気)の流行を防ぐことができます。VPDが流行しなければ免疫力の弱い人たち(ワクチンを受ける年齢になっていない赤ちゃん、おなかに赤ちゃんのいる妊婦さん、病気のためにワクチンを受けたくても受けられない人、体力の低下した高齢者、ワクチンは受けたけど実際には免疫が十分についていない人など)もVPDから守れます。ワクチンの接種は自分のため、そしてみんなのためだということを忘れないでください。

 

現代社会で高まる予防の大切さ、子どももおとなも感染しやすい環境に

最近は赤ちゃんや小さな子ども同伴のレジャー、ショッピング、外食などが日常的になりました。また働く女性が増え保育園などで集団生活を送る子どもも増えています。このように子どもが人の多く集まる場所に長時間いることが多くなるとそれだけ感染症にかかる機会が増加します。

子どもだけではありません。2007年に全国の大学で起こった麻しん(はしか)の集団発生のように、若者のVPD流行もあります。どうしてこのような流行が起こるのでしょうか。ある程度までワクチン接種がすすむとVPDの流行が抑えられてきます。すると患者との接触機会が少なくなり、結果的にワクチンでいったん獲得した免疫が弱まりやすくなるのです。またワクチンを接種していなくてもかからないまま成人になる人も増えてきます。このようなことから成人でもVPDの流行が起こると考えられています。

乳幼児はもちろん成人もみんなが適切にワクチンを接種して必要な免疫をつけておくことがとても大切なのです。

 

薬剤耐性菌のために治療が困難になるケースが増えています

抗生物質乱用などによって抗菌薬が効かない菌(耐性菌)の増加が問題になっています。特に子どもの細菌性髄膜炎を引き起こすヒブや肺炎球菌では耐性菌は深刻な問題です。抗菌薬の効果が不十分だと治療をしても死亡したり後遺症を残したりするからです。残念ながら日本ではこれらの重い感染症を予防するためのワクチンの導入が世界的に見ても大変遅れています。

ワクチンは感染症そのものを防ぐだけではありません。抗菌薬の適正な使用を図り耐性菌の増加を防ぐためにもとても重要な意味を持っているのです。

 

 4.子どもの免疫とワクチン

 子どもの感染症は予防が第一です

乳幼児期には免疫が未発達なためさまざまな感染症にかかります。そして感染していくことで免疫をつけながら成長していくのです。しかし子どもがかかりやすい感染症はかぜのように軽いものだけではありません。中には確実な治療法が無くて深刻な合併症や後遺症を起こしたり、命を落としたりする危険がある病気もあります。そうした感染症は予防することが大切です。

 

ワクチンこそもっとも安全な予防方法

感染症を予防するのに安全で確実性の高い方法がワクチンの接種です。ワクチンは病気を防ぐために必要な免疫を安全につける方法です。ワクチンを接種することで子どもたちを病気から守ることができます。

 しかしすべての感染症に対してワクチンが作れるわけではありません。ワクチンで防げる病気(VPD)はごく一部にすぎません。ワクチンを開発するのはとても難しいことで、困難を乗り越えてまでワクチンが作られたのはそれが重大な病気だからです。VPDはいったん発病すると現在の医学でも根本的な治療法はないか治療がとても難しいのです。

せっかくワクチンというすぐれた予防法があるのに使わないのはとてももったいないことですね。大切なわが子を守るためにもワクチンのメリットを最大限にいかしましょう。

 

子どものかかりやすい主な感染症~VPDとVPDでないもの~

 VPDでない感染症(ワクチンがない→予防が難しい感染症

突発性発疹

ヘルパンギーナ

手足口病

・伝染性紅斑(りんご病

咽頭結膜炎(プール熱

とびひ

マイコプラズマ肺炎

・尿路感染症

 

VPDの感染症(ワクチンがある→予防が可能な感染症

・麻しん(はしか)

 ・ポリオ

ジフテリア

・百日せき

・おたふくかぜ

・インフルエンザ

B型肝炎

・ヒブ感染症

・風しん

結核

破傷風

日本脳炎

・みずぼうそう

・小児の肺炎球菌感染症

A型肝炎

ロタウイルス腸炎

 

 発展途上にある子どもの免疫を助けるために

生まれたての赤ちゃんはへその緒を通じてお母さんから免疫をもらいます。このお母さんからもらう病気の抗体は生後6か月くらいまでにはなくなるので、その頃からかぜによくかかるようになります。

こういう話を聞くと生まれてすぐは大変免疫力が強いと考えてしまいそうですが実は逆。確かにお母さんからもらった抗体が大変役に立つ病気もあります。しかし免疫というのは抗体(免疫グロブリン)だけではなくて、他の免疫成分(細菌を食べる好中球、免疫を作ることなどに関係するリンパ球、補体など)もとても重要です。

これらを含めて総合的な免疫力を比較すると、生まれてすぐが一番弱く、6か月過ぎになると少し強くなってきますが、2歳くらいまではまだ弱いのです。6歳頃になるとかなり大人に近づきます。また病気にかかるかどうかは感染症との接触の機会が多いかどうかも関係します。そのためたとえば肺炎球菌やヒブなどの菌が簡単に子どもの免疫システムを通り抜けて細菌性髄膜炎や敗血症など重大な病気を起こしやすいのです。麻しんや百日せきなども年齢が低いと重症になりやすい病気です。

こうした病気を防ぐ助けになるのがワクチンです。

サツマイモの栽培方法・育て方のコツ

サツマイモ栽培の特徴

種類:サツマイモ

科目:ヒルガオ

好適土壌pH:5.5~6.0

連作障害:連作可能

 

水はけのよい痩せた土地で育てツルを繁茂させないのがサツマイモ栽培のコツ。

貯蔵がきき収穫から時間がたって追熟することで美味しくなるので長く楽しめるのも魅力です。

 

栽培のポイント

・窒素分が多すぎるとつるボケするため元肥は最小限に

・ツルが茂ってきたらつる返しをしてひげ根を切る

 

サツマイモの栽培時期

 サツマイモの栽培時期・栽培スケジュールは次のようになります。

5月中旬頃に苗を植え付け10月頃の収穫です。ただし地域や品種により異なるので参考程度として下さい。

 

サツマイモの栽培方法

サツマイモの栽培方法は次のような流れになります。

 

苗の準備

サツマイモの苗は4月下旬頃に種苗店やホームセンターなどで販売されます。

良い苗の基準は茎が太くて節間が間のびしておらず葉色が濃くて厚みのあるもの。また節数が4~5あり、長さが15~20cmくらいのものを選びます。

植付けまで苗を保存しておくには浅く水を張ったバケツに浸けて日陰に置いておきます。これで1週間くらいはもちます。

 

土作り

サツマイモは日光がよく当たる通気性に富んだ乾燥した土を好みます。また肥沃だと「つるボケ」になるので痩せた土地が向きます。

植え付け10日ほど前に土をよく耕し幅45cmほどの畝を作ります。水はけと通気性をよくするため高さ20~30cmの高畝にします。畝間に水たまりができないよう排水にも気をつけたいところ。

またサツマイモは収穫まで長期間になるので雑草を防ぐために「マルチング」しておきます。

pHの目安は5.5~6.0です。

 

肥料

サツマイモの組織内には空気中の窒素を固定する微生物(アゾスピリラム)が共生していて自ら栄養分を作り出します。

また肥料が多いとツルばかり伸びて芋の生育が悪くなる「つるボケ」になるため肥料は最小限(または施さない)で育てます。なお追肥は一般的には行わず全量を元肥で施します。

肥料には「ボカシ肥」や「マイガーデンベジフル」のようなバランスのとれた配合肥料がオススメです。

またイモの肥大にはカリ成分が関係するため「草木灰」などを多めに入れると良いです。リン酸は要求度は小さいのですがイモの甘みを増します。

 

連作障害・コンパニオンプランツ

サツマイモは連作障害が出にくいため同じ場所での連作が可能です。

またサツマイモと相性の良い「コンパニオンプランツ」には「赤ジソ」があります。

赤ジソが過剰な肥料分を吸収してサツマイモのつるぼけを防ぐ他、葉の赤色がサツマイモを食害するアカビロウド͡コガネをする効果もあります。

 

植え付け

株間30cmでマルチに穴を開け深さ10cmくらいの楕円形の植え穴を掘ります。

植え穴の底に寝かせるように苗を置いたら土をかけて鎮圧します。この時塊根の基となる不定根が良く出るよう3~4節が土に埋まるように植え付けるのがポイント。

苗を寝かせる方向は畝と平行にします。根は挿した方向に長く伸びるため、畝と直角に植えると通路や隣の畝までイモが広がり収穫が大変になります。

土が乾燥しているときは植え付け後にたっぷりと水をやります。

この後は収穫まで追肥や芽かきなどの作業も必要ありません。

 

植え付け方

サツマイモの主な植え方には「斜め植え」と「垂直植え」があります。

苗を斜めにさす「斜め植え」が一般的ですがそれぞれ次のような特徴があります。

・斜め植え:根は横に長く伸びるため細長い芋になる。個数は多め。

・垂直植え:根は縦に短く伸びるため丸く短い芋になる。個数は少なめ。また栄養分の転流がスムーズになり甘みが凝縮する。

 

棒を使うと植え付け作業が簡単

 例えば斜め植えの場合斜めに棒を挿して穴を掘り、開いた穴に苗を差し込んで土を被せます。これだとマルチの上からでも簡単に植え付けができます。また数が多い場合は補助器具を使えば立ち作業で素早く植え付けることができて楽チンです。

 

つる返し

株が成長し伸びたツルが土につくと葉のつけ根の部分から根を出します。

芋は根に養分が蓄積したものなので放っておくと地表を這うツルにも芋がつき養分が分散してしまいます。それを防ぎ植え付けた部分の芋だけを肥大させるためにつる返し(ツルを引き上げて土から根をはがし反転する)を行います。

地面に根を張ったツルの先を持ってたぐり上げ、根こそぎ剥がしたらツルをひっくり返して葉の上に乗せておきます。

つる返しは根を出したツルを見つけたらその都度行います。

 

収穫

植え付け後110~120日で収穫できます。

掘った芋を乾かすため晴れた日の午前中に収穫しましょう。

株元でツルを切りマルチをめくったら芋を傷つけないようにスコップでまわりから掘り起こして収穫します。

掘った芋は並べて午後いっぱい干し表面が乾いてから保存します。

また霜にあたると収穫した芋の保存性が悪くなるため霜が降りる前に収穫を済ませましょう。収穫を遅らせると芋は太く大きくなりますが色や形が悪くなります。

収穫予定の1週間前に地上部のつるを刈り取っておくと、芋にデンプンが転流し甘みが高まります。

 

収穫後は追熟させて甘味を増す

サツマイモの主成分は炭水化物ですが収穫直後はそのほとんどがデンプンであるためあまり甘くありません。

収穫後1~2週間保存するとデンプンが果糖などの糖類に変化して甘くなります。

また9℃以下の低温で糖化が進むと腐敗しやすくなり(冷蔵保存は厳禁)、15℃以上になるとほう芽してしまうため、貯蔵する際の適温は12~14℃くらいがベストです。

発泡スチロール箱に保存するなら蓋に空気穴をあけておきましょう。サツマイモは収穫後も呼吸しているので密閉すると腐りやすくなります。

 

トラブル・生育不良

 サツマイモ栽培によくあるトラブル・生育不良などをまとめています。

 

つるばかり茂ってイモが小さい

肥料分、特に窒素過多による「つるぼけ」が原因です。

施肥量を控えることが肝心ですが症状が出てしまった場合は「つる返し」を何度か行うようにしましょう。

各節から伸びた根を引き剥がすことで養分の吸収を抑えることができます。

 

切り口から出る白い液体

 サツマイモを収穫した際ツルの切り口から白い液体がにじみ出ます。

これは「ヤラピン」という成分でイモ自身が切られた箇所を癒すために分泌されるもの。放っておくと黒いタール状になります。

サツマイモに含まれる成分で食べても問題なく整腸作用にも良いと言われています。

 

発生しやすい病害虫

サツマイモに発生しやすい代表的な病害虫とその対策・予防策をまとめています。

 

病気

立枯病(たちがれびょう)

葉が黄色になってしおれつるは伸びず生育不良に、症状が激しいと枯れてしまいます。

茎や塊根に黒い病斑ができます。

 

つる割病

葉は黄化してしおれつるの地ぎわが縦に裂けて黒変します。

 

黒斑病

芋の表面に丸く黒っぽい斑紋ができます。貯蔵中に被害が大きくなります。予防としては無病の苗を用いることが大切です。

 

 斑紋モザイク病

葉に紫色の斑紋が現れます。芋は表面が帯状にひび割れ、でこぼこになり色あせます。原因ウイルスをアブラムシが媒介します。

 

かいよう病

芋に暗褐色でくぼんだ病斑が発生します。

 

害虫

サツマイモネコブセンチュウ

根に寄生し根を腐らせたり葉を枯らせる土壌病害虫。

被害にあうと芋のひげ根の基部に黒色の斑点やくぼみができます。

 

ドウガネブイブイコガネムシ

カブトムシやクワガタムシの幼虫と似ていますが、ドウガネブイブイコガネムシ)の幼虫です。

地中にいる幼虫が芋を食害します。

 

ハリガネムシ(コメツキムシの幼虫)

体長2~3cmの赤茶色をしたイモムシがイモを食害します。

食害された箇所には穴があき、ひどい所だとイモの奥深くまで穴だらけになります。

 

アブラムシ

茎や葉に小さな虫が群棲し吸汁加害します。モザイク病のウイルスを媒介するため必要。

 

イモキバガ(イモコガ)

イモムシ状の幼虫が葉を巻いて中に潜み、葉の外側の表皮だけを残して食害します。

 

ナカジロシタバ

体長40~50mm、灰青色で黒色の小斑点、背には黄色の筋が特徴のイモムシ状の幼虫が葉を食害します。

慌てないで!よく起こる車のトラブル対処法

車は消耗品だからこそ定期的にメンテナンスしてあげないと故障の原因になってしまいます。今回は車のトラブルの中でも発生しやすいものをいくつかピックアップし対処法についてご紹介します。

 

目次

  1. バッテリーがあがって車が動かない
  2. タイヤがパンクしてしまった
  3. 車からキュルキュル音がする
  4. ウィンカーが急にカチカチしだした
  5. インロックしてしまった
  6. まとめ

 

1.バッテリーがあがって車が動かない

ロードサービスがよく利用される車のトラブルはバッテリーがあがってしまい車のエンジンがかからないというトラブルなのだそう。バッテリーがあがってしまうのにはさまざまな原因が考えられますが、中でも多いのがエンジンを切った状態で室内灯やヘッドライトをつけっぱなしにしてしまっていたというケース。車が走行しているときは常にバッテリーは充電されている状態ですが、停止している状態だとどんどんバッテリーの電力は消耗されていきます。そのため電力が足りなくなってエンジンがかからないというトラブルが発生するのです。

ロードサービスを利用するのはもちろん、バッテリーがあがってしまったら車のバッテリーとポータブルバッテリーをつないで電力を充電することでバッテリーを復活させることができます。

 

2.タイヤがパンクしてしまった

タイヤがパンクするといったトラブルもよく発生するトラブルのひとつです。タイヤがパンクすると運転中ハンドルの調子がおかしくなったり、タイヤ自体の空気が抜けているので見た目でも分かります。

タイヤがパンクしてしまった場合車には標準装備としてスペアタイヤもしくはタイヤの応急修理セットが備えられているのでまずは応急措置を施しましょう。ただスペアタイヤも応急セットも長い時間持ちこたえることはできないので、応急措置を施したら早めにタイヤ交換やパンク修理を行うことをおすすめします。

 

 3.車からキュルキュル音がする

エンジンをかけて走行を始めると、エンジンルームからキュルキュルと音がする現象はベルト系に問題がある可能性があります。ファンベルトやタイミングベルトなどの劣化もしくはベルトが緩んでいる場合によく起こるからです。ベルトが緩んでいる場合は専用の道具で締め直したり、もしくは劣化している場合は交換をしなければならないので、早めに修理などに出すようにしましょう。

またベルトの緩みについては新しくベルトを交換して少ししてから車に馴染んでくるために、緩んでしまうということも少なくないようです。

 

4.ウィンカーが急にカチカチしだした

車のウィンカーのカチカチが急に早くなってしまったというケースはありませんか。カチカチが早くなったら、車の後ろか前どちらかのウィンカー球が切れてしまっているという合図。

ウィンカー球が切れてしまったら事故のもとになるので早めに交換するようにしましょう。ウィンカー球であれば車用品のお店などで数百円で購入できますし、車にもよりますがドライバーなどで簡単に付け替えできます。

 

5.インロックしてしまった

荷物などを取り出すときなど、ついつい車にカギをかけた状態で車のカギを車内に閉じ込めてしまったということはありませんか。車内にカギを閉じ込めてしまうことをインロックと言います。スペアキーを所持していれば特に問題ありませんが、困るのはスペアキーを所持していない場合。

専用の工具なしに車のカギを開錠するのは難しいので、カギ屋など専門の業者を呼んで開けてもらうようにしましょう。車にもよりますが、インロックを開錠すると数千円はかかってしまうので、事前にスペアキーを作ってもらうと良いでしょう。車種にもよりますがスペアキーの作成なら数百円で済むこともあります。

 

6.まとめ

車のトラブルでも特に起こりやすいものを5つご紹介しました。トラブルが発生してしまったら、焦らずに冷静に対処することが大切。どうしても分からない場合はロードサービスを利用するなどもひとつの手でしょう。

虫歯になりやすい習慣・環境とは?原因や検査、セルフチェックの方法

目次

  1. 虫歯になりやすい特徴とは
  2. 大人の虫歯
  3. 歯科での検査・治療

 

1.虫歯になりやすい特徴とは

虫歯とは

虫歯は、プラーク歯垢)の中にいる虫歯菌が酸を出し歯を溶かすことで起きる病気です。虫歯菌は歯を溶かす酸をつくる力の強い菌や弱い菌がいて力の強い菌が多ければ虫歯になりやすくなります。虫歯菌は糖分をエサにしてどんどん増えるため甘い物をよく食べれば虫歯になりやすくなります。ただ虫歯の原因はそれだけではなく食事の回数や歯並び、歯みがきの状況、唾液の量などさまざまな原因によって生じます。

 

虫歯になりやすい場所

虫歯になりやすい場所は「歯と歯の間」、「歯の根元」、以前治療をした「詰め物と歯の隙間」の3か所です。

「歯と歯の間」と「歯の根元」は手入れが行き届きにくいためプラークがつきやすいところです。特に「歯の根元」は加齢によって歯ぐきが下がり歯ぐきに守られていた箇所が露出してしまうとその部分が虫歯になりやすくなります。「詰め物と歯の隙間」は詰め物が噛むことですり減ったり、剥がれたり、膨張したりすることで詰め物と歯の間に隙間ができ、そこにプラークがたまって虫歯になります。

 

虫歯になりやすい生活習慣

・歯みがきは1日1回以下

歯にプラークがたまりやすくなり、虫歯菌の増殖を招きます。

・間食やだらだら食べることが多い

歯にプラークがたまりやすくなり虫歯菌の増殖を招きます。

・甘いものをよく食べる

虫歯菌は糖分をエサにするため虫歯菌の増殖を招きます。

・しばらく歯科に行っていない

気づかないうちに虫歯になっている可能性が高くなります。

 

虫歯になりやすい口内環境

・口の中がよく渇く

殺菌作用のある唾液が不足しているため虫歯菌が住みつきやすくなります。高齢者などで複数の種類の薬を使用している場合副作用で口の中が渇くことが少なくありません。

・歯並びが悪い

歯のみがき残しが多くなるため虫歯になりやすくなります。

歯周病がある

歯ぐきが下がり歯と歯の間に隙間ができてしまうためみがき残しをしやすくなります。

・かぶせ物や詰め物が多い

詰め物と歯の間に隙間ができやすいため虫歯になりやすくなります。詰め物の内側に虫歯できる場合もあり進行に気づきにくく注意が必要です。

 

2.大人の虫歯

大人の虫歯は治療した歯が原因

虫歯は子どもでは減っているものの大人では減っていません。大人の虫歯で多いのは以前虫歯を治療した歯で長年たってから再発するケースです。

 虫歯の治療では歯を部分的に削って詰め物やかぶせ物をします。それから長い年月がたつと、かむことによる負荷や、熱い物や冷たい物など温度の変化により金属が膨張や収縮を繰り返すことなどで、詰め物やかぶせ物が変形します。すると歯との間に隙間ができ、そこにプラーク歯垢)がたまります。そしてプラークの中にいる虫歯菌により虫歯が再発します。この場合表面からは見えづらく気づきにくいため進行しやすいのが特徴です。歯を削っている分神経に近い場所で再発することが多く、痛みを感じて受診したときには神経が障害されていることも少なくありません。

歯の詰め物やかぶせ物には寿命があるため、定期的に歯科医院を受診してしかるべきタイミングで再治療を受けることをおすすめします。

 

虫歯が再発する仕組みと流れ

①治療で歯を削り詰め物をした場合、詰め物やかぶせ物には寿命があり、すり減って歯との間に隙間ができていく。

②歯と詰め物の隙間にプラーク歯垢)がたまり、プラークの中の虫歯菌が酸をつくり虫歯になる。

③虫歯の再発が起こる。表面から見えないまま進行するため気づきにくい。

 

 3.歯科での検査・治療

歯科での定期検査

歯はどんなに丁寧に磨いても本当に磨けているかどうかは自分で確認することはできません。そこで重要になるのが歯科での定期検査です。

定期検査では虫歯の検査、歯周病の検査、歯石の除去などが行われます。虫歯は年に1~2回、歯周病は約3か月おきに定期検査を受けるとよいといわれています。定期検査の際に正しい歯磨きの仕方やコツなどを教えてもらうといいでしょう。歯垢をしっかり除去できれば歯石もたまらず虫歯や歯周病を防げます。

 

虫歯の検査

歯科医が歯の状態を見て調べる視診や歯のエックス線検査を行い虫歯があるかをチェックします。

 

歯周病の検査

歯周病ポケットの測定や歯石のチェック、さらにエックス線検査が行われます。

 

歯石の除去

歯石は歯垢が硬くなったものです。歯みがきでは除去できないため歯科で取り除く必要があります。

 

初期の虫歯に対する治療法

虫歯は初期であれば削らずに治療することができます。初期の虫歯は、歯からカルシウムイオンが溶け出て歯の一部が白くなります。この状態を「ホワイトスポット」といいます。放っておくと、重度の虫歯に発展してしまうことがありますが、歯に溶け出てしまったカルシウムイオンを取り込ませる薬を塗ることで、元の状態に回復させることができます。

歯は再生しにくい組織なので、できるだけ削らずに歯を保存することが現在の虫歯治療の基本です。歯みがきの指導とともに、虫歯の進行度合いに合わせた治療が行われます。虫歯が進行していて、歯を削る必要がある場合は、以下のような治療を行います。

 

歯磨きの指導

 虫歯の治療と予防の基本が歯みがきです。歯ブラシの当て方や動かし方、デンタルフロスや歯間ブラシの使い方などの指導が行われます。

 

「コンポジットレジン」による詰め物

虫歯を削った場所が小さい場合に行います。コンポジットレジンは歯科用の特殊なプラスチックです。虫歯を削り取った場所に直接塗布して、特殊なライトを当てて固めます。銀歯のように型を取る時間が不要なので、10分~30分で処置できます。また、歯と同じ色なので、見た目が良いのも特徴です。

 

神経を取る治療

虫歯が歯の神経まで到達している場合に行います。神経を取ったあと神経があった場所に詰め物をします。注目されているのが歯科用顕微鏡「マイクロスコープ」を使用した治療です。目視では確認しにくい神経が通る管を拡大して見ることができるのでより確実な治療が可能です。

 

ブリッジ・入れ歯・インプラント

歯の欠損が大きい場合に行います。人工の歯、義歯にはブリッジ、入れ歯、インプラントがあり、それぞれ長所、短所があるので医師の説明を受け、よく理解したうえで選ぶことが大切です。

 

虫歯の予防には日常的に自分で行う口のケアが何よりも重要です。正しい歯みがきや食の嗜好を見直し、食べ方を改善すること、そして定期的な検診を心がけましょう。

 

 正しい歯みがきのポイント

正しい歯みがきで虫歯の原因となるプラークをしっかり落とすことが大切です。歯の隙間にはフロスなども使いましょう。忙しい人や高齢者におすすめなのが、効率的に汚れが落とせる電動歯ブラシです。

 

食べ方の改善ポイント

 食べ方の改善をするのも効果的です。

甘い物や酸性のものが好きな人はだらだら食べないように気をつけます。酸性のものは歯を直接溶かしてしまうため、虫歯になりやすくなります。

歯が酸性にさらされ続けると、最悪の場合虫歯ではないのに歯が薄くなったり、欠けたりして歯がすり減る「酸蝕歯(さんしょくし」になることがあります。しかし甘い物や酸性の物を全く食べてはいけないわけではありません。食べる量よりも口の中に長くそれを含んでいることのほうが良くないので、間食を減らしたり、食べた後に口をゆすいだりすることが効果的です。

脱自己流!知っておきたいマラソン練習の基本知識とトレーニング方法

どんなスポーツでも最初は経験者に教わって始めるものですが、マラソンの場合はなぜか誰からも教わることなく自己流で始めます。それでもフルマラソンを完走するくらいならなんとかなるものですが、練習の効率を考えるときちんと教わるのがおすすめです。とはいえ周りに教えてくれる先輩ランナーがいないとどういう方法で練習すればいいのかもわかりませんよね。そこで今回はマラソン練習の基本となる考え方と効率よくトレーニングするためのメニューについてご紹介していきます。

 

目次

  1. 練習・食事・睡眠の3本柱を意識すること
  2. ラソン練習の基本はポイント練習とジョグ
  3. 基本となるポイント練習とジョグの練習方法
  4. 違和感があったらすぐに中断しよう
  5. まとめ

 

1.練習・食事・睡眠の3本柱を意識すること

まず頭に入れてもらわないといけないのが練習だけでは成長しないということです。マラソンのトレーニングとしては「練習で体を疲労させ睡眠で疲労した体を回復させる」がベースになります。

人間の体は疲労から回復したとき(48~72時間後)に練習前よりも少しだけ体力がアップします。これを「超回復」と呼ぶのですが、体力が上がったタイミングでさらに疲労させると次の回復時にはさらに体力がアップします。これを何度も繰り返すことで走れるカラダへと変化していきます。

ここで重要になってくるのが食事です。疲労した体を再構築するには原材料が必要になります。その原材料となるのが食事から摂取する栄養素というわけです。主となる栄養素はタンパク質でタンパク質が不足すると練習で体を疲労させても十分な回復ができません。

このためマラソンのトレーニングにおいては「練習・食事・睡眠」を常にワンセットで考えなくてはいけません。寝る時間を削ってランニングしている人もいますが優先順位を間違えないようにしましょう。優先すべきは睡眠で十分な睡眠時間を確保できないなら練習はお休みにしてください。

もちろん食事も重要でタンパク質だけでなく炭水化物や脂質といった3大栄養素だけでなく、ミネラルなどもしっかり摂らないと走れるカラダを作ることはできません。

しっかりと練習をして食事にも気を使いそして十分な睡眠時間を確保する。この3つが合わさったのがマラソンレーニングです。走るだけでは不十分だということをまずはしっかりと頭に入れておきましょう。

 

2.マラソン練習の基本はポイント練習とジョグ

ラソン大会に向けての練習で何も考えずに毎日10km程度を走っている人もいるかと思います。ランニングを始めたばかりのころはそれでもある程度のレベルまでは成長します。でもすぐに伸び悩むことになります。

そうなると今度は月間走行距離を伸ばしがちですがここでは走行距離を増やすのではなく練習の質を上げるトレーニングとしてポイント練習を行いましょう。

インターバルやペース走といった名前は聞いたことがあるかもしれませんが、このような高負荷のトレーニングを取り入れることで筋力アップと心肺機能向上を狙えます。ポイント練習を導入することにより今までよりも速いスピードで長く走れるようになります。

ただしポイント練習は高負荷ですので回復するのに時間がかかります。ポイント練習の内容や負荷にもよりますがポイント練習をしたら次回まで2~3日は空けるのが一般的です。

ではその2~3日間は何もしなくてもいいのかというとそうではなくこの期間はジョグを行います。ジョグというのは比較的ゆっくりしたスピードで行うランニングで会話を楽しめるくらいのペースで走ります。もちろんジョグには意味がありますがそれについては後ほど詳しく説明します。

ラソンをしっかりと走れるようになるにはこのようなポイント練習とジョグの組み合わせトレーニングメニューを作る必要があります。

 

3.基本となるポイント練習とジョグの練習方法

 

インターバルトレーニング

インターバルトレーニングは高負荷のランニングとジョグを交互に繰り返すトレーニングです。方法がいくつもあるのでトレーナーによって教える内容に違いがありますがここでは2つのインターバルトレーニングをご紹介します。

1000m×4本

400m×10本

大事なのは全力で走らないということです。インターバルというと全力疾走とジョグの組み合わせだと思っている人がいますが、大事なのは400mにしても1000mにしても決められた距離を最後まで失速しないペースで走るということです。それも何本目でも同じペースで走ります。

もちろんゆっくり走っても意味がありません。インターバルが終わったときにオールアウトしているのが理想です。途中で疲労からペースが落ちるのもNG、力が余っているのもNGです。この感覚は自分で掴むしかありません。

 400mや1000mを走ったあとジョグでつなぎますがこのジョグは息を整える時間です。あまり長く取りすぎても意味がありません。ジョグは400mや1000mを走るのにかかった時間だけ行ってください。

例えば1000mを4分で走ったら4分間のジョグを行います。それを1セットとして決めたセット数だけ繰り返します。1000mなら4本、400mなら8本です。

こうすることで心肺機能に高い負荷をかけることができます。心臓や肺も筋肉でできていますので高い負荷をかけることで強くなります。そういう意味でインターバルは心臓と肺の筋トレだと考えてください。

 

ペース走

ペース走はとてもシンプルです。決められた距離を決められたペースで走り続けるだけです。どれくらいのペースで走るのがいいのかはそれぞれの走力によりますが、まずは5kmをぎりぎり息が切れないペースで走り続けましょう。それができるようになったら10kmに伸ばしましょう。

気をつけてほしいのはその日のコンディションによってペースが変わるということです。ある程度のペースは事前に決めておきますがいざ走ってみると体が重いこともありますし、気温や風の強さなどでも維持できるペースが違います。

最初の1kmを設定ペースで走ってみて無理がないかを確認しましょう。息が上がるようでしたら思い切ってペースを落としましょう。「これくらいなら最後まで走れそう」というところまでペースを調整してそのまま残りを走りきってください。

ペース走を行うことで心肺機能向上だけでなく筋持久力が上がります。最後までペースを落とすことなくそれでいて筋肉がパンパンになるくらいがちょうどです。最初はペースをつかむのが難しいですが何度も行っていれば感覚をつかめるようになります。

 

ジョグ

ラソン練習においてジョグは軽視されがちですが実はとても重要なトレーニングになります。私たちの筋肉には「遅筋」と「速筋」の2種類がありますがポイント練習で鍛えられるのは主に速筋になります。でもマラソンにおいて重要なのは遅筋です。

ポイント練習を行うのはスピードを出しやすくするためであってマラソンを走りきるには遅筋を鍛えなくてはいけません。それを行うのがジョグというわけです。

このジョグの目的は遅筋線維の毛細血管密度を上げることなのでゆっくりと走ります。ペースは筋力によって違いますのでキロ〇分とは言えませんが会話を楽しめるくらいのスピードで走りましょう。走っていて会話がなくなるようだと速すぎます。

自然な呼吸で余裕を持って走れるくらいを心がけてください。走力が上がってくるとゆっくりと走るのは意外と難しいものですがゆっくりと走ることが求められる練習ですので、必要以上に速く走らないように自分をしっかりとコントロールしましょう。

 

4.違和感があったらすぐに中断しよう

ランニングを始めたばかりは走れば走るほど速くなります。そうなってくると練習量も自然と増えていきます。ここに大きな落とし穴があります。練習量が増えるとスピードも上げられるようになりますが、そのスピードに耐えられる体ができるには少し時間がかかります。

キロ4分で走れる走力がついてもそのキロ4分を維持するための筋肉がまだできていないのでほとんどの人がオーバートレーニングになってケガをします。

本当はケガをする前に「おかしいな」と感じることがあるはずなのですが速く走れることの楽しさと、これくらい大丈夫という思い込みから無理して練習を続け、最終的には痛みでまったく走れなくなってしまいます。

そうなると回復するまでに時間がかかりますし完治しないこともあります。せっかく走れるようになったのにもったいないですよね。そうならないためにも体のどこかに異変を感じたらそこで走るのをやめて1週間くらいは思い切って休みましょう。

ランニング人生は何十年もあります。1週間休んでも大したことではありません。部活経験者は「休む=サボる」と考えてしまいがちですがマラソンにおいては休むも練習です。上手に休める人だけが継続できるスポーツですので無理せずすぐに休みましょう。

 

5.まとめ

自己流で走りながら試行錯誤するのもいいですがこのトレーニング方法をベースにすることで効果的に鍛えることができます。自分のトレーニング方法に限界を感じている人やどんな練習をしていいのかわからずに困っているという人はぜひ参考にしてください。そしてくれぐれもオーバートレーニングをしてケガをしないようにだけは注意してください。違和感があったらすぐにストップです。「急がば回れ」と自分に言い聞かせてしっかりと休んでから練習を再開させましょう。

知っておきたいクスリのリスクと正しい使い方

病気やケガの治療などで大切な役割を果たす「薬」。しかし程度に差はありますが薬は効き目(効能・効果)だけではなく、副作用という「リスク」も併せ持っています。重い症状では死に至ることも。そこで薬を安心して使うためには薬に関するリスク、正しい使い方や保管方法を知ることが大切です。そして薬の服用歴が分かる「お薬手帳」や薬について身近に相談できる「かかりつけ薬剤師・薬局」を持つことも有効です。今回は知っておきたい薬の基本的な知識を紹介します。

 

目次

  1. 知っていますか?クスリのリスク
  2. 薬にはどんな種類があるの?
  3. 薬の正しい使い方とは?
  4. 薬をより安全に使うには?
  5. 薬について安心して気軽に相談したい!

 

1.知っていますか?クスリのリスク

薬は病気やけがを治療するなどの効果・効能がある一方副作用というリスクも併せ持つものです。副作用とは本来の目的と別の作用のことで、例えば眠気やのどの渇きといった軽いものから、肝機能障害やアレルギー反応の一種であるアナフィラキシー(※)などの重い症状まで様々です。

ただし薬を使用すると必ず副作用が現れるものではありません。もし現れたとしてもその症状は服用した人や薬によって異なりますが次に当てはまる人は特に注意が必要です。

 

アナフィラキシー:アレルギー反応の一種。皮膚のかゆみやじんましんなどから始まり、ひどくなると呼吸困難ひいては生死に関わるほどの重症(いわゆるアナフィラキシーショック)になることもあります。

 

薬の副作用について特に注意が必要な人

・アレルギーのある人

・過去にひどい副作用を経験したことがある人

・医師の治療を受けている人

・肝臓・腎臓など薬の成分を代謝・排泄する臓器に疾患のある人

・他にも薬を飲んでいる人

・妊娠している女性、妊娠の可能性のある女性、授乳中の女性

・高齢者

また「高所作業や乗り物または機械類の運転操作をする人」は眠気等の副作用に注意が必要です。

薬の使用中に何か異常を感じたらすぐに医師や薬剤師に相談してください。その際には「何という名前の薬をどのくらいの量、期間使用し、どのような症状がでたか」を説明できるようにすることが大切です。

 

2.薬にはどんな種類があるの?

薬は「医療用医薬品」、「要指導医薬品」、「一般用医薬品」の大きく3つに分類されます。

「医療用医薬品」は医師の処方に基づいて使用する薬で、「要指導医薬品」「一般用医薬品」は、薬剤師等による情報提供を踏まえて、症状にあわせて薬局等で購入する薬です。

「要指導医薬品」は医療用医薬品から市販薬に変更となってからの期間が比較的短いものなどが該当します。「一般用医薬品」はリスクに応じて第1類から第3類までの3種類に分けられます。

 

3.薬の正しい使い方とは?

薬を使用する際には次のような点への注意が必要です。

(1)使用前に説明文書をよく読む

医療用医薬品・要指導医薬品・一般用医薬品には必ず説明文書がついています。用法・用量や効能・効果のほか、使用上の注意や副作用に関することが記載されているので、使用前には必ず目を通す習慣をつけましょう。また捨てずに保管し、必要なときにはすぐに読めるようにしておくことも大切です。

 

(2)用法・用量、タイミングを正しく守る

飲み薬は決められた量よりも多く飲めばさらによく効くというものではなく、逆に副作用や中毒などが現れる危険もあります。薬を飲むタイミングについても同様です。特に高齢の方や妊娠中・授乳中の方、赤ちゃんなどの場合は薬の種類や使用する用法・用量に注意する必要があります。

 

Q 薬を飲むタイミングって?

A 用法の指示のうち「食前」「食後」「食間」とは次のタイミングをいいます。

「食前」:食事の1時間~30分前(胃の中に食べ物が入っていないとき)

「食後」:食後30分以内(胃の中に食べ物が入っているとき)

「食間」:食事の2時間後が目安(食事と食事の間)※食事中の服用ではない

 

Q もし薬を飲み忘れたら?

A 気づいた時にすぐに飲みましょう。

ただし次の服用時間が迫っている場合は1回分を抜いてその次からいつものように飲みます。決して2回分を一度に使用してはいけません。

なお薬の種類によっては飲み忘れたときの対応が異なる場合があります。

 

Q 医師に処方してもらった薬(医療用医薬品)を他人に譲ってもいいですか?

A その人の症状や体質・年齢などを考慮して処方されているため、仮に症状が似ていたとしても他人が使ってはいけません。また要指導医薬品、一般用医薬品についても薬剤師や登録販売者に相談して、必要な薬を選ぶことが大切です。安易に他の人にあげたり、もらった薬を服用することはやめましょう。

 

Q 薬を飲むときの水の量は?

A コップ1杯の水(またはぬるま湯)が目安です。

少量だと薬がのどや食道などにはりついて炎症や潰瘍をおこすおそれがあります。なお医師から水分摂取の制限を指示されている場合はその指示に従ってください。

 

(3)薬の形状(錠剤・カプセルなど)に注意

治療効果の向上や副作用防止のため、錠剤や粉薬、カプセル、シロップといった様々な形状に工夫されています。形状によっては使い方に注意しましょう。

 

錠剤、カプセル

 これらの中には薬に含まれる有効成分が少しずつ溶け出す、あるいは胃ではなく腸で溶けて効くように工夫された薬もあります。そのためむやみに噛んだりつぶしたりまたはカプセルをはずしたりしてはいけません。

 

目薬

容器の先に目やまつ毛が触れないようにしましょう。また2種類使用する場合は少なくとも5分程度の間隔を空けましょう。

 

(4)薬の飲み合わせ

複数の薬を使用している場合飲み合わせが悪いと十分な効果が得られなかったり、逆に効き過ぎて体に悪影響を及ぼしたりすることがあります。また食品やサプリメントの中にも薬との飲み合わせが悪いものもあります。

 

一緒に飲むことを避けたほうがよい組み合わせ

「ワルファリン(血を固まりにくくする薬)」と「納豆」または「クロレラ食品」

「カルシウム拮抗薬(高血圧の薬の一種)」と「グレープフルーツジュース

「風邪薬」と「アルコール」

「眠気防止薬」と「カフェインを含む飲料(コーヒーやいわゆるエナジードリンクなど)」

 

薬の正しい保管方法

(1)子どもの手の届かないところ

子どもの誤飲を防ぐために子どものすぐ手の届く場所に薬を放置しないようにしましょう。薬を廃棄する際にも子どもの目に触れないように処分しましょう。

 

(2)湿気、日光、高温を避ける

薬は湿気・光・熱によって影響を受けやすいため、直射日光の当たらない高温にならない場所で保管しましょう。また冷蔵庫で保存するよう指示された薬は凍らせないように気をつけましょう。

 

(3)薬以外のものと区別

誤用を避けるため食品・農薬・殺虫剤・防虫剤などと一緒に保管するのは絶対やめましょう。

 

(4)他の容器に入れ替えない

薬の種類や使い方が分からなくなり誤使用によって事故を招くおそれがあるため薬を他の容器に入れ替えての保管は避けましょう。

 

(5)古い薬は廃棄

時間が経過した薬は分解・あるいは成分の変質によって本来の効果が得られなくなる場合があります。そのため使用期限を過ぎている、または見た目に異常がある薬の使用はやめましょう。

 

4.薬をより安全に使うには?

 自分が使っている薬の記録をつけておくための「お薬手帳」をおすすめします。

これによって普段使用している薬や薬に関する情報を正しく知ることで副作用や誤飲の防止などにつながる、薬によるアレルギー経験なども医師や薬剤師へ正確に伝えられるというメリットがあります。

 

お薬手帳」に記載する主な項目

・氏名、性別、生年月日、血液型、住所、電話番号、緊急連絡先

・アレルギー・副作用歴の有無、過去の病歴、かかりつけ医・薬剤師など

・服用薬に関する情報、処方された薬の名前、用法・用量・期間など

 

お薬手帳」の利用方法

医療機関や薬局に行った際には毎回必ず医師・薬剤師に提出

・薬剤師が薬の情報(名前・飲み方・注意点など)を記入、または渡された説明文書などを自分で貼付

・(必要に応じて)処方された薬に関して不明な点や気づいたこと、服用後に気分が悪くなったことなどを自分で空欄などに記入

 

5.薬について安心して気軽に相談したい!

医師が発行した処方せんはどこの薬局でも取り扱ってくれます。しかし受診する医療機関によって薬局を変えるのではなく、“かかりつけ”の薬剤師・薬局を持つことをお勧めします。

より安全で効果的な医療を提供することを目的として、医師(処方せん発行)と薬剤師(調剤)がそれぞれ独立した専門的な立場で患者さんと接する仕組みを「医薬分業」といいます。医薬分業には次のようなメリットがあります。

医薬分業の主なメリット

・複数の医療機関から処方せんをもらっても(1か所の薬局で調剤を受けることで)飲み合わせの悪い薬や同じような薬が重複して出されていないかなどをチェックしてもらうことができる。

・処方せんが発行されることで患者自身が処方の内容を把握可能になる

・薬剤師による情報提供や服薬指導を受けることができ飲み忘れや飲み残しを防ぐことができる。

・在宅での療養が必要になっても薬の管理説明を受けられる。

ジェネリック医薬品について説明してもらえてジェネリック医薬品を選択するか希望を聞いてもらえる。